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プロフィール・学歴・経歴
篠原有司男 (しのはら うしお)
1932年1月17日生まれ、東京生まれのアーティスト。
千代田区立番町小学校卒、日本大学第二工業学校に入学。疎開先から東京に戻ると、麻布中学校に入学。
東京芸術大学美術学部油絵科中退。
1958年、村松画廊で初個展を開催
1969年に渡米、以降ニューヨーク在住。
本名が「牛男」のため、愛称は「ギュウチャン」。
2003年にポカリスエットのCMで福山雅治とボクシングペインティングで共演して話題となる。
前衛美術家 アヴァンギャルド
「アートというものは、デーモン(悪魔)なんだよ」と言うこの前衛芸術家を、かの岡本太郎は「ひたむきなベラボウさ」と激賞したそうです。(※かの有名な「芸術は爆発だ!」でおなじみの太陽の塔を作った方ですね。)
篠原有司男は、1969年にロックフェラー三世基金の奨学金を得て渡米、極貧の中でアートと格闘をしていました。
代表的なシリーズとなる「オートバイ彫刻」は、そんな極貧のなか、つまり画材を買う金もなく、路上に捨てられた段ボールを拾い集めて作ったものなのだそう。
補足:前衛美術家って何? いわゆるアバンギャルド。フランス語でもともと「前衛部隊」を指す語であり「最先端に立つ人」。
前衛(アヴァンギャルド)とは、おもに芸術、文化、政治の分野における実験的、革新的な作品や人々のことを指す言葉
日本で代表的なアーティストといえばやっぱり水玉でおなじみの草間 彌生さんですよね。
渡米して以来、ずっとニューヨークで活動している彼ですが、その意義については、
「ニューヨークは世界の最先端だからね。競争相手だってあだやおろそかじゃない。アメリカには現代美術しかないからね。そこに画廊も集中している。そしてキュレーターや評論家たちがものすごく勉強していて、厳しい評論をする。金をもらって手加減するなんてことはないからね。それはやり甲斐があるよ。売れないというのがぼくのエネルギーだね。売れたらだらしなくなっちゃうから」
と話しています。
彼の作品ですが、多様な色使い、ポップな雰囲気の絵が多い印象ですよね、何からインスピレーションを受けているかと言うと、なんと少年漫画だといいます。自宅の本棚には『名探偵コナン』や『ワンピース』といった有名な少年漫画がずらりと並んでいるんだとか。そんなおじいちゃん、可愛すぎますね!
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「ぼくはいつも自分で自分を壊して、先に来たからね。マンガは売れなきゃダメだから真剣勝負なんだよ。そこがいいよね。アーティストなんて、鼻毛抜いて朝寝・朝風呂・朝酒なんてのが、いくらでもいるからね。気合いがなくちゃだめなんだよ」と語るギュウチャン(篠原有司男)。
とにかく、勢いと気合いで突き進んできたという感じですね。まさに「ひたむきなベラボウさ」、ですね。
妻
一方で、1953年富山県に生まれた妻の乃り子さんは、アーティストを夢見て19歳という若さで渡米し、その半年後に有司男と出会いました。
その後すぐに息子のアレックス・空海を出産するなど、お互いに芸術活動をしながら、慌ただしく子育てもすることになったようです。
有司男の妻であり、秘書であり、マネージャーであり、シェフであり、そして片腕でもある乃り子さん。
引用元:nippon.com「アートという“悪魔”に祝福された夫婦の記録 篠原有司男&乃り子」
「ぼくはアーティストだからね。作品が完成したら、もう関心がなくなって次に行くんだよ。知り合いに投げ売りとかタダであげたりすることもあるんだよね。それを見るに見かねて、乃り子が手伝ってくれたという感じだね」
彼には豪快という言葉も似合うようです。
彼女の代表作といもいえる、漫画『キューティー・アンド・ブリー』に描かれている有司男は、彼のキャラクターを端的に表現しているように思えます。
※「キューティーは乃り子さん自身、「ブリ-」は本名が『牛男」である有司男で、牛を表す『ブル』をもじったもの。設定は、「かわいこちゃんといじめっ子」
そんな彼を描いた乃り子さんは、「こんな面白い題材がそばにいて使わなかったら損じゃない(笑)。家賃の心配をしなくてよければ、わたしはもっとアートに専念できていたけれど、でも売れていたらブリーのキャラクターは作れなかったわね」
貧乏スタートで、2人は出会い、ドタバタしながら行き当たりばったりで突き進んでいるように見えますが、偶然のようでおそらく必然に生まれた彼らのアートはしっかりとお互いの窮地を救っていたんですね。
「なんで続けるかって?絵が売れねえからだよ」
ぶっきらぼうに、でも愛嬌たっぷりに語る彼を見てるととても清々しい気持ちになりますね。
彼の代名詞「ボクシング・ペインティング」
マスコミ向けのパフォーマンスとしてやったという、「ボクシング・ペインティング」
とある雑誌の企画で「イカれている」人を探していた編集者が、彼のところにまさかの大江健三郎を連れて来た。
絵描きと称していた彼だが絵がなかったため、ボクシングペインティングをやろうとふと思いついて、墨汁を水で薄めて、グローブの代わりにオヤジの下着をグルグル巻いてハチャメチャなことをした。
結果、大江氏から「この人には伝統も何もない、めちゃくちゃな男だ」という評価を獲得、これは伝説と言えるでしょう。
とんでもなくぶっとんだ伝説ですが、この偶然の必然はやはり彼を救ったことになりますね。
1960年に赤瀬川原平らと前衛芸術グループ「ネオダダイズム・オルガナイザーズ」を結成した彼は、当時はまだやっている人がいなかったと言われるモヒカン頭で街中を半裸でのたうち回る過激なパフォーマンスを実施していたようです。
そんな当時、ドキュメンタリー写真家のウィリアム・クラインという方の目に留まり、撮影で「ボクシング・ペインティング」を披露。これは写真集『TOKYO』(1964年)に収録され話題となり、以降メディアを賑わせることになったそうです。
しかし、彼の代名詞ともいえるこの「ボクシング・ペインティング」は、
「マスメディア向けのパフォーマンスであり、芸術のつもりは毛頭なかった」
とのちに赤瀬川との対談で明かしているそうです。
作品価格
出典:ボクシングペインティング | 篠原 有司男 | アート販売 Walls Tokyo
実際 篠原 有司男 さんの「ボクシングペインティング」の作品が「アート販売 Walls Tokyo」さんというところで販売されていました。
ボクシングペインティングキャンヴァスにアクリル絵具
original65.0×75.0cmFrame:cm
作品本体価格¥2,500,000-消費税¥200,000-合計¥2,700,000-
高い?安い? 芸術価値は素人にはよくわかりませんね。
ヤフオクで買える?
ヤフオクでも篠原有司男 さんの作品は出品されています。絵画などは偽物なども多いので出元がしっかりしたところから購入したいですね。ただ、ヤフオクで多く出品されているものはシルクスクリーンなどの数万円の物が多いのでチェックしておきたいですね。
映画「キューティー&ボクサー」
アートに人生を狂わされ続けた夫婦の闘いとその生活を描いた映画
ゴーグルをつけて、デカいグローブをつけ、ペイントがベタベタついた体で二人が立っているジャケットが印象的なドキュメンタリー映画「キューティ&ザ・ボクサー」(ザック・ハインザリン監督)。
2013年のサンダンス映画祭ドキュメンタリー部門で監督賞を受賞、そして2014年のアカデミー賞でも長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品なので、御存じの方も多いのではないでしょうか。
公開の際、非常に話題となっており、関連イベントも多く行われことを記憶しております。
撮影のため取材を開始した当時、監督したザックさんはまだ20歳前半という若さでしたが、それからおよそ4年をかけてこの夫婦に密着して映画を完成させました。それも長編のデビュー作だったそうです。
「ザックの存在は、そのうち家の家具と変わらないくらい気にならないものになっていった」
と、のちのインタビューで乃り子さんは語っていますが、だからこそ撮れた、貧乏な生々しい夫婦の生活の様子や、酔っ払って泣き出す有司男さんの日常を映し出すドキュメント。そして二人の関係性をよく表現している乃り子さんのセリフの数々など、この映画は見どころ満載の内容となっているので、オススメです!
なんだか、だんだんウシオさんが、少年ジャンプの主人公のように思えてきました。笑
彼のぶっとんだアートパフォーマンスはこれからも世界中の人々をワクワクさせていくことでしょう!
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