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村上農園・村上清貴社長のプロフィール
村上清貴(むらかみきよたか)
生年月日:1960年7月生まれ (父は小さい時に事故で亡くしており、母子家庭で育つ)
出身地:山口県
最終学歴:広島大学総合科学部 卒
大学卒業後の1983年にリクルートへ入社し法人営業を担当する。当時カイワレの最大手(コンシューマー向け)だった、村上農園(叔父が1978年に創業)を継ぎ、33歳で二代目社長に就任(2007年)
突如起こったO-157騒動による食中毒事件
清貴さんが村上農園に入社してから3年が経った1996年、予想もしてなかった「病原性大腸菌O-157」による集団食中毒で経営危機に見舞われました。
大阪府堺市内の児童たちを中心に大勢が中毒症状を訴えたんです。厚労省は「カイワレ大根が原因となった可能性が極めて高い」と公表、メディアも乗じて盛んにこの騒ぎを報じました。事実無根であるにも関わらず、各所への対応に追われ、結果として売上は大幅に減少、生産拠点も縮小せざるをえず、大打撃を負うことに。
当時、東日本統括部長を務めていた清貴氏は「自分が動かなければ、という一心だった」と振り返っています。
その後も各所で同様の食中毒騒動が起きたことで、消費者のかいわれ大根離れが決定的となり、村上農園では辞める社員が続出、廃業を余儀なくされる同業者も多かったそうです。
そんななか、ピンチを救ったのは「豆苗」と、そして「スプラウト」だったわけです。
カイワレからスプラウトへのシフト、村上農園の逆転劇!
まさにピンチはチャンス、ということですね。
数年前から試験栽培を始めていたという豆とうみょう苗(エンドウの若菜)の本格展開に乗り出しました。慣れないながらも、全社員が一丸となってスーパーなどの店頭に立ち、試食販売をするなど、地道に「栄養価の高い、おいしい豆苗の魅力」を伝え続けたわけですね。
そして、ここでの頑張りが報われる、ある<事件>が起きます・・・・。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の教授を務めるポール・タラレー氏が、ブロッコリーのスプラウト(新芽)に非常に高い濃度に含まれるスルフォラファンという物質に、「がん予防効果がある」と学会で発表したのです。
このニュースは全米を駆け巡り、メディアで盛んに取り上げられ、スプラウトブームが起きたといいます。1997年のことです。
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当時の先代の社長である村上秋人さんは、これを聞きつけ即座にアメリカに行きました。
日本での特許ライセンスの契約を取るため教授のもとを訪れた秋人さんでしたが、慣れない交渉な上、競合も多数オファーしているなど、苦戦を強いられます。結果、彼の熱意と、村上農園の発芽野菜栽培のノウハウなどが決定打となり、契約締結にこぎつけたのです。
アメリカのトップクラスの大学の信頼を獲得したことは、村上農園の今後の大きな飛躍につながる大きな一歩となりました。
スプラウト
このブロッコリースプラウトを国内で独占的に生産販売する権利を得た村上農園は、ネーミングにこだわりました。当時は「スプラウト」なんて、全く馴染みのなかった名称だったんですね。ほかとの明確な差別化を図るためのこのインパクトのある「スプラウト」の名称は、きちんと結果を出します。消費者は、「健康効果」を期待してこの目新しいネーミングの野菜を購入したわけですね。
しかも、なんと、このとき健康情報番組が人気となり始めたタイミングだったんです。村上農園は、このチャンスを逃しません。
ここは元リクルートマンの腕の見せ所とばかりに、斬新なPR手法で積極的に消費者に向けて情報を発信したのです。スプラウトは多くのメディアで取り上げられ、一大ブームを巻き起こしました。市場には“スプラウト”というひとつのカテゴリーができたわけです。
【豆情報】そもそもスプラウトって何?
スプラウトとは、発芽直後の植物の新芽のことで、発芽野菜のことを指します。
植物が発芽し成長を始めると、乾燥した種子の状態では存在しなかった種類のビタミンや、その他の栄養成分を自分で合成するようになります。たとえば、えんどう豆が発芽した「豆苗(とうみょう)」は、
種子の状態と比べ、カロテンは31倍、ビタミンEは16倍、ビタミンKは13倍、葉酸は5倍に増加。
さらに、それまで存在しなかったビタミンCが43mgも含まれています。
※データは日本食品標準成分表2015年版より。種子は青えんどう豆(乾燥)の数値。スプラウトは言うなれば植物の赤ちゃん。
大きく成長するために必要な栄養やパワーを最も豊富に含んだ状態。
つまり、種子や親野菜より栄養や酵素をたっぷり含んだ状態がスプラウトなのです。
これが「スプラウトは、天然のサプリメント」と言われる由縁です。
二代目社長となった清貴氏のIT改革
清貴氏は、2007年に叔父である秋人氏から社長を継ぎました。社長就任後、彼は品質管理を徹底する社内改革に乗り出します。
「当初は、生産センターごとにかいわれ大根やスプラウトの長さや太さがバラバラなのは、仕方がないと考えていました。」とインタビューで語っている清貴氏。
植物なので、バラつきが出るのは仕方ないことですからね。しかし、品質統一を目指すのと目指さないのとでは、まったく違う、ということで、生産ではITを活用し、毎日全センターの栽培データを入力、誰でも見られるようにしたといいます。今でこそよく聞く話しですが、当時は難しいことだったようです。
物流においても低温配送を徹底、出荷計画の立て方も変更。品質統一のためには、栽培日数が伸びたりコストが増えることになってもいい。とにかく徹底して品質を優先したんですね。
「村上農園のビジネスは「農業」ならぬ「脳業」ビジネス」だと、清貴氏は語っています。
熟練生産者のカンや経験に頼る従来の農業ではなく、ITを駆使し生産管理を徹底する野菜づくり。2012年に稼働を開始した、村上農園の植物工場「山梨北杜生産センター」。
この稼働をきっかけに、売り上げが伸び始めたといいます。もちろん、料理レシピの開発や本の発刊、専用サイトの開設など、積極的なアピール作戦も奏功しました。
そして、社長就任して以来、業績は回復し、沖縄村上農園(2012年合弁で設立)を含め、2018年には売上高100億円の大台に乗せてみせました。またこの年、品質管理拠点としてワールドコントロールセンターを本社内に完成させます。
引用元:PRTIMES「村上農園、国内販売額100億円を突破」
現在、全国に9つの生産センターを構え、ブロッコリーのほか、マスタードやクレス、レッドキャベツなどの「スプラウトシリーズ」、「マイクロハーブシリーズ」などの商品展開をしている村上農園。今後、AIで誰でも同じ品質を作れる仕組みを海外にライセンス供与する計画とのことです。
これからも清貴社長のIT革命に期待大ですね!
出典:村上農園
出典:村上農園
村上農園オンラインショップ
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