スポンサーリンク


プロフィール

 

出典:https://bunshun.jp/

略歴

杉本博司(すぎもと ひろし)
1948年2月23日生まれ
東京都出身
日本の現代美術作家

実家は美容院専門商品の卸売商店
立教大学経済学部卒業

人物について

もともと写真家としてのキャリアからスタートしてますが、のちに建築舞台演出の仕事もするようになり、総称として「現代美術作家」といった呼ばれ方もされているようです。

派手な色や分かりやすいキャラクターを描くポップアートのような作風ではなく、むしろ逆でモノクロで静かな作品などが多いため、一般受けする方ではないようですね。

でも、杉本さんの作品に触れると、ハマってしまいますよ。

とても、引き込まれる、見入ってしまう、そんな感じデス・・・

初期の作品群

大学卒業後、すぐに写真を学びにロサンゼルスへ行った杉本さん。

それからニューヨークに拠点を移し、写真作家として自身のスタジオを構えました。

この時から、杉本さんの代表作となっている、動物標本を撮影した「ジオラマ」シリーズに着手しているんですね。

非常に高い評価を得たようですよ。

 

 

引用元:「時と向き合うアーティスト、 杉本博司/T JAPAN」

ほかに、映画の上映時間分の長時間露光で撮影した「劇場」シリーズでは、アメリカ各地の劇場やドライブインシアターを訪れまくったそうです(笑

 

 

引用元:「時を超越する写真家・杉本博司の展覧会が日米で開催」

世界中の水平線を撮影した「海景」シリーズは、小さい時に見た水平線を思い返し、『自分はどこから来て、どこへ行くのか』という自問自答したところから始まったといいます。

スポンサーリンク

白黒写真で同じ構図を延々と繰り返し製作する・・・

なんだか不思議な気持ちになってきますね。

 

 

引用元:「時を超越する写真家・杉本博司の展覧会が日米で開催」

この3つのシリーズが初期の評価の高い作品群となっています。

これらの作品を製作していた頃、杉本さんは日本の古美術品などを集め始めました。

作品を製作しながら生活していくのはなかなかしんどいですよね。

身入りを増やすため、古美術商ギャラリーを当時の配偶者の方と開業しました(1978年)。

生活のためという理由で始めた古美術品収集は、なんと現在に至るまで続いているそうです。

作品、活動の幅がどんどん広がる

杉本さんの作品は、厳密なコンセプトと自身の明確な哲学に基づいているんだとか。

個人の存在を超え、積み重なる時間、そしてその流れをとらえるためのコンセプトや手法を常に模索しているそうです。

その後、近代建築の外観をボカして撮影する「建築」シリーズや、蝋人形の偉人たちを撮影した「ポートレート」シリーズなど、意欲的に作品を発表していきます。

「建築」シリーズでは、生活を大きく変えたモダニズムの誕生と展開を検証しよう、といったコンセプトを基に製作したものだそうです。

 

 

引用元:「東京都青山で世界的な現代美術家・杉本博司の「建築」シリーズを集めた個展」

「ポートレイト」シリーズでは、マダム・タッソー蝋人形館にある偉人たちの蝋人形を、あたかも生きた本人を撮影したかのような作品に仕上げたもの。

 

 

引用元:「Sugimoto Portraits (Catherine Parr) | 杉本博司 | SO BOOKS」

「もう存在しない人を生きているかのように・・・」、時間を超えた存在を写すというテーマがありますね。

そして、2000年以降、杉本さんは<建築>に取り組むようになります。

新素材研究所

2008年に、杉本さんは建築家の榊田倫之さんと、「新素材研究所」という建築設計事務所を設立しました。

『旧素材こそ、最も新しい』

<新素材>といいつつ、昔から使われている素材や技法を研究し、現代版の解釈で考えていく、というコンセプトがあるそうです。

杉本さんは現代建築を「文化の後退現象」ととらえているようで、<かつてそうだった>コスパがあまり良くない、手間暇がかかる職人の技術を残していきたい、という思いがあるんですね。

代表作としては、MOA美術館IZU PHOTO MUSEUMなどがあるようです。

昨年2018年には、美術品の保管で有名な寺田倉庫の建築ミュージアムで設立10周年を記念する展示が行われていました。

 

 

引用元:「杉本博司と榊田倫之が語る新素材研究所。10周年で企画展「新素材研究所・ -新素材×旧素材-」が開幕」

小田原文化財団「江之浦測候所」

以前から古美術品の収集をしてきた杉本さん。

やはり「古美術品収集」は、自身の活動に活きていたんですね。

2009年に、古美術品の保存とともに、古典演劇の伝承などの振興事業を目的とした「小田原文化財団」を設立しました。

そしてそれを基にして、文化施設「江之浦測候所」を2017年に開館させました。

 

 

引用元:HP「江之浦測候所 | 小田原文化財団」

ざっくり言うと、日本の芸術、文化、技術などをいろいろな形で守り、伝えていくための施設、ということになるでしょうか。

それにしても、なぜ「測候所」という名称なのか・・・

そこには「世界や宇宙と自分との距離を測る場」という意味をもたせているそうです。

もちろん、普通に展望の機能はあるそうですが(笑

また、場所を小田原にしたのは、杉本さん自身の原風景であり、「自分自身の存在を気づかせてくれた」場所だったからということです。

数々の賞を受賞

杉本さんは、過去多くの賞を受賞しています。

それを簡単に紹介します。

1989年、毎日芸術賞
2001年、ハッセルブラッド国際写真賞を受賞
2009年、高松宮殿下記念世界文化賞
2010年、紫綬褒章
2013年、フランス芸術文化勲章オフィシェを受章
2017年、文化功労者

2019年の主な活動

杉本さんが演出するオペラが上演

パリ・オペラ座が350周年を迎えるそうで、その際に上演されるオペラの演出を手掛けるそうです。

上演期間は、9月~10月だそう。

 

 

引用元:「杉本博司演出による「At the Hawk’s Well/鷹の井戸」 パリ・オペラ・ガルニエ宮にて上演が決定」

カルティエの展覧会の会場構成を担当

先ほど紹介した新素材研究所の仕事として、世界的ジュエラーであるカルティエとコラボします。

本格的な展覧会の会場構成を担当するのは初らしく、しかもその相手がカルティエって、とんでもないですね(笑

国立新美術館で10月~12月のあいだ開催されますので、興味のある方はぜひ!

 

 

引用元:「【独占インタビュー】新素材研究所が初の会場構成。カルティエ大展覧会、今秋開催!」

最後に・・・

前段で紹介した活動を見ても分かる通り、世界的に非常に評価が高いんですね。

草間弥生さんや村上隆さんのように、とっつきやすい作品を描く人ではないので、一般的な認知度は国内では高いとは言えません。

だからこそ、この記事を読んで興味を持ってもらえたらと思います。

知る価値は十分すぎるほど、ありますから!

スポンサーリンク